師管の働きと圧流説までの記事で師管、シンクとソースのことを見てきた。

葉で光合成を行い、光合成産物を他の器官に輸送する際、養分の送り元をソースと呼び、受け取り先をシンクと呼ぶ。

イネの養分転流を見るの記事でソース側ではオートファジーが関与していると記載した。


オートファジーといえば、2016年に大隅氏がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで有名になった。

オートファジーを理解すれば、秀品率の向上に関与するようなヒントが見つかるかもしれない。

ということで早速検索してみることにした。




まずはオートファジーについてざっくりとしたものを見ると、


Emma Farmer (-- Serephinetalk - 10:28, 21 April 2007 (UTC)) - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる


細胞内のタンパク質を分解する仕組みのことを指し、細胞内で過剰にタンパク質を合成してしまった時、個体レベルで栄養が不足した際に古い細胞から新しい細胞へ養分を移行する時や細胞内に侵入した病原微生物を排除する時に働くとされる。

分解されたタンパク質等(アミノ酸、糖やミネラル)はどこかしらの器官で再利用される。

オートファジー - Wikipedia


いくつか検索に引っかかって、非常に興味深い事が記載されている論文があったが、それは後日にして、今回は概要的なものを紹介する。

石田宏幸著 植物の栄養リサイクルと葉緑体のオートファジー - 化学と生物 Vol. 52, No. 9, 2014

によると、オートファジーには

・マクロオートファジー

・ミクロオートファジー

・シャペロン介在性オートファジー

の主に3つのタイプがあるらしく、植物では上2つのマクロオートファジー(Macroautophagy)とミクロオートファジー(Microautophagy)が確認されている。

2つのオートファジーのパタンは上の図に記載されている。

※ミトコンドリア等のオルガネラを包み込んで液胞に取り込むか、液胞が陥没することで直接取り込むか?の違い


上記の論文では葉で最も重要な葉緑素のオートファジーについて記載している。


葉緑体のオートファジーは葉緑体の表面を少しずつ減らして器官を徐々に小さくしていくパターン(RCB経路:RuBisCO-containing body)と、そのまま飲み込む(クロロファジーと呼んでいる)の2つのパターンが紹介されている。


葉緑体のオートファジーは再利用だけでなく、環境に応じて光合成の調整に関与しているのではないか?と考えられている。

オートファジーについての理解が進むことで秀品率の向上に貢献できる期待が増えた。


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