うちのクローバは寒空の下でも元気の記事で、低温環境にいたにも関わらず葉にアントシアニンが蓄積されず青々としているのは何故だろう?ということで、グルタチオンか遮光効果のある色素が既に十分量あったのか?という内容を記載した。
この内容の後に、植物にとってのグルタチオンは現在はどのように考えれているのだろう?と検索をしてみたら、小川健一 CO2固定の新規促進機構を活用したバイオマテリアルの増産技術開発という研究報告がヒットし、低温障害とは異なるけれども、概要に興味深い内容が記載されていた。
植物は光合成能力が高められた時に挿し木などでも発根が促進される。
グルタチオンで光合成能力を高めても、同様に発根の効率が高まる。
話は戻って、栽培時の低温障害の一つに作物の根が凍傷するということがあったなと。
冬に突入する前に盛んに発根しておけば、根が発する熱というものもあるだろうし、発根という視点で植物が寒さに強くなっているということはないだろうか?と。
これらの内容を踏まえ、グルタチオンの合成が気になった。
グルタチオンの合成はグルタチオン合成酵素 - Wikipediaに記載があった。
合成の反応は下記になるらしい。
ATP + グルタミン酸 + システイン ⇄ ADP + リン酸 + γ-L-グルタミル-L-システイン
ATP + γ-L-グルタミル-L-システイン + グリシン ⇄ ADP + リン酸 + グルタチオン
※グルタミン酸、システインとグリシンはアミノ酸で、各反応にはATPを消費する。
冬季に突入する前に、アントシアニン合成ではなく、グルタチオンの合成のサイクルに入る事ができれば、冬でも葉が青々した状態になるのかな?
補足
小川健一 活性酸素で植物が元気に成長する抗酸化物質グルタチオンの新機能 - 化学と生物 Vol. 40, No. 11, 2002
上記の記事はグルタチオンの肥料の開発でよく見かける方の報告だけれども、グルタチオンに低温適応に関与という話題が記載されている
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