知人とのやり取りでふと考えさせられる案件があった。

とある地域のハウス栽培で緑肥をかました後に作物を定植したら、葉が黄化したというもの。


緑肥を鋤き込んだ後、すぐに定植して窒素飢餓になったのか?といえばそうではない。

緑肥の後に緑肥の効果に甘えて施肥設計を控えめにしたのか?といえばそうではない。

だから頭を悩ませていた。


これに対して、一つ頭に浮かんだ。



話題の箇所は泥炭土でハウス栽培をしていたなと。

そして、緑肥の肥料として鶏糞を使っていたなと。

葉の黄化は鉄欠乏ではないか?と。




この話を紐解くにあたって、まずは泥炭土について触れる必要がある。

泥炭土があった場所というのは遥か昔に沼地や湿地のような場所。


※この写真と下の写真は場所が異なる。上の写真は尾瀬の湿地



六呂師高原の池ケ原湿原の記事で触れたような沼地に植物の死骸が堆積して、徐々に沼が埋まって湿地になったような場所で更に植物の死骸が堆積して湿地ではなくなり、死骸が硬化した場所だ。


泥炭土では鉱物由来の微量要素、例えば鉄、マンガンや亜鉛は少ない。

客土で川砂を入れる意義再び


そこにソルゴーのような有機物量の多い緑肥を育てて鋤き込んだら、土壌中の微量要素の量は相対的に少なくなる。




次に注意すべきは鉄やマンガンの肥効だ。

これらの微量要素は弱酸性であれば肥効が増す。



そこに炭酸石灰のようなpHの変動を少なくする石灰分が豊富に含まれている鶏糞を肥料として使うと、鉄やマンガンと拮抗する成分が土壌に蓄積してしまう。

鉄もマンガンも葉緑素の働きに重要な要素であるため、これらの要素が欠乏すると葉が黄化する。

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす




泥炭土は腐植量が多いけれども、微量要素が欠乏しやすいという特徴から、畑作に向いていない。

水田であれば川から微量要素が供給されるのでなんとか稲作はできるというところだ。

光合成の質を高める為に川からの恩恵を活用したい


そんなところで雨水にあたらないハウス栽培だと、知らない内に微量要素の沼にハマるだろうなと。