生体内でのグリシンの役割の記事でアミノ酸のグリシンの生体内で働きについてを見た。

働きのうちのクレアチンについては無酸素運動についての理解が必要になるので、今回は無酸素運動時のエネルギーについてを見てみる。


運動には


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長距離走のような長い時間体を使う有酸素運動と

※後述で記載する本には有酸素性運動と表記すべきという意見が記載されていた


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短距離走のような短い時間で一気に力を出し切る無酸素運動がある。

※後述で記載する本には無酸素性運動と表記すべきという意見が記載されていた


どちらも筋肉の動きには代わりはないので、動く時にATPというエネルギーを貯蔵して引き出せる電池のようなものを利用して体を動かす事には変わりないけれども、体内でのATPの貯蔵量は少なく、すぐに枯渇するため、運動中であってもATPを産生し続けなければならない。

電子伝達系でATPをたくさん作る


このATPの産生の方法が有酸素性運動と無酸素性運動で異なる。

今回見ておきたいクレアチンは無酸素性運動の方なので、有酸素性運動については触れないことにする。




無酸素性運動におけるエネルギーの供給機構には下記がある。

・乳酸性エネルギー供給機構

・非乳酸性エネルギー供給機構

※田畑泉 1日4分 世界標準の科学的トレーニング - ブルーバックス 108ページ〜を参考


乳酸性エネルギー供給機構というのは、ざっくりと書くと

ブドウ糖 + 2ADP → 2乳酸 + 2ATP

ブドウ糖は血中か筋肉中に蓄えられたグリコーゲンから供給される。


ADPはATPからエネルギーを取り出した後のもの。

ADPに再びエネルギーを入れてATPに戻す事ができる。


非乳酸性エネルギー供給機構というのは、

クレアチンリン酸 + ADP → クレアチン + ATP

となる


クレアチンリン酸というのは、安静時にクレアチンにエネルギーを蓄えてクレアチンリン酸にして、筋肉(や脳)に蓄えておく。

クレアチンリン酸 - Wikipedia


どちらの供給機構も運動中速やかに反応するため、無酸素性運動で重要になる。


今回は文字のみで話を進め、化学式には触れていない。

次回以降でクレアチンの生合成から、クレアチンリン酸の反応を見て、グリシンについての理解を深めていこうかと。