無効分げつの発生を抑える為の中干しは必要なのか?の続きまでの記事で、慣行的に行われている中干しが今後の稲作で足を引っ張る可能性が非常に高い事を記載した。
※写真はヒメトビウンカ
イネの栽培で最も苦戦するウンカを含むカメムシ目の昆虫の食害被害に対して殺虫剤は効かない可能性が高く、天敵に頼らなければならない状態は年々重要度を増していく。
カメムシやウンカは殺虫剤の抵抗性をいとも簡単に獲得していくが、カメムシの昆虫に対する天敵は抵抗性を獲得できず、カメムシ等を対象とした殺虫剤を散布したら、天敵のみが死滅して被害が悪化する。
天敵に頼る栽培にシフトするためには殺虫剤は絶対に使用してはならない事になるわけだけれども、
株を丈夫にして後は収穫まで信じて待つというのは相当の精神力が必要になり、経営のセンスが相当高い人でないとできない芸当であるはずだ。
精神安定も含めて、予防を更に強化出来る方法はないか?と考えてみたところ、
最近注目されているドローンによる散布が頭に浮かんだ。
一般的にドローンによる散布は農薬だけれども、ここでは農薬ではなく、
※写真はイメージしやすいように粒状のものにしている
アミノ酸生成時に副産物として生成される黒糖液肥だ。
理由は植物は痛みを感じた時にグルタミン酸を用いて全身に伝えているの記事に記載している内容で、シロイヌナズナにおいて(おそらく)葉にグルタミン酸を散布すると物理的損傷に対しての防御を強めるというもので、おそらくイネでも同様の機構があるはず。
もし、イネに防御関連の機構がなかったとしても、アミノ酸自身が防御に関する物質を合成する可能性は十分あるし、そもそもの話で米の品質も向上する。
防御の反応の中に天敵を呼ぶという作用もあったはずなので、自身が固くなる + 天敵が増えるで守りは強くなる。
病気になったから、○○の農薬で、害虫が集まってきたらから××の農薬でといった対処は時代遅れになりつつあるのは確か。