最近、黒糖肥料の話題がやたらと挙がる。
その背景として下記の記事がある。
黒糖肥料の説明を読むと、アミノ酸生成菌による発酵という内容が記載されている。
アミノ酸生成菌といえば、
化学同人の酵母の生命科学と生物工学という本で、アミノ酸の合成に酵母を活用する為の研究が記載されていたことを思い出した。
もし黒糖肥料の製造に酵母が関与していて、アミノ酸を丁寧に抽出せずに酵母も含まれているのであれば、今流行りの酵母抽出エキス + アミノ酸の肥料ではないか!と
酵母によるアミノ酸の製造の記載は研究のものだったので、現時点でアミノ酸の製造に酵母を活用しているか?は把握していない。
アミノ酸製造といえば、味の素の設立に関与した偉大な研究結果がある。
調味料(アミノ酸発酵)と微生物 モダンメディア 62巻3号 2016[身近で活躍する有用微生物]という読み物に(サトウキビ等を原料とした)グルタミン酸塩の製造に関する記載があり、コリネバクテリウム属のCorynebacterium glutamicumのグルタミン酸生成誘導のモデルが図示されている。
※最初の発見の時と細菌の名称が異なる。
内容は端折るけれども、グルコースから脂肪酸への合成を制限して、制限した分をグルタミン酸に合成させている。
冒頭の黒糖肥料はおそらくこの細菌を活用して、グルタミン酸抽出後の残りを使用しやすい形で加工しているものだろう。
そうであれば黒糖肥料のグルタミン酸の含有量が多いのも納得出来る。
グルタミン酸以外にも各アミノ酸を合成する手法はあるけれども、黒糖肥料には関係なさそうなので触れないことにする。
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