イネのストレス応答を医薬品として活用の話題に引き続き、もう一つ見ておく。
米ぬかの主要成分の一つに
Yikrazuul - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる
有機態リン酸のフィチン酸があることは栽培の方で重要な内容であるため何度も触れた。
このフィチン酸の中心にある六角形の箇所をイノシトールと呼ぶけれども、
Edgar181 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる
米ぬかの有用成分の中にイノシトールという記載があった。
イノシトールはヒトの脳にあるグリア細胞や神経細胞で浸透圧の調整に関与するので、治療薬のような位置付けで活用されることがあるそうだ。
ここまでの話題で、米ぬかの中には医薬品として活用できる成分が豊富に含まれている事が分かってきた。
しかも生活習慣病としった社会保険を圧迫するような症状に対して効果があるものばかりだった。
米ぬかといえば、精米所で廃棄物扱いされているようなものなのだけれども、丁寧に見ていくと非常に価値のあるもので、もし産業用で大量利用されるようになったら、米ぬかにも金銭的価値が付き、稲作の換金性が高まるのだろうなと。
今は稲作は収益性が低いとされ、減反や転作で田の面積が減り続けているが、低肥料での生産性の高さ、炭素の埋没能力の高さや栄養価の観点が加わると、稲作というものが日本の農業問題を解決する可能性に秘めていることを感じる。
減反や陸稲を推進している場合ではないはず。