米ぬか土壌還元消毒でどれ程の有機態リン酸が投入されるか?等の記事で見てきた穀物等に含まれる有機態リン酸ことフィチン酸に関して、人が摂取した場合の振る舞いが気になったので触れてみる。
成美堂出版から出版されている栄養の基本がわかる図解事典のフィチン酸の説明で活性酸素の発生を抑える効果があると記載されている。
摂取時のマイナスの面として、カルシウムや亜鉛の吸収を阻害するという内容も記載されているが、これは飼料としての利用の時に記載したのでここでは触れないことにする。
家畜糞による土作りの土から収穫した野菜の摂取は健康に繋がるか?
活性酸素の発生を抑えるということは抗酸化作用に分類されるわけで、土壌にフィチン酸がたくさんあったら、抗酸化作用によって土の形成に悪影響を与えるのでは?と頭に浮かんだので、フィチン酸の抗酸化作用を調べてみることにした。
フィチン酸のもつ抗酸化作用に関して、内田龍寛等 フィチン酸およびその加水分解物の水産脂質に対する抗酸化活性 - 日本 食品科学工学会誌 第48巻 第10号 2001年10月に
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金属イオン存在下におけるフェントン型ハーバーーワイズ反応により生じるヒドロキシラジカル(OH・)の生成を,金属イオンをキレート化する事によって抑制すると推測されている
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と記載されていた。
※ヒドロキシラジカルが活性酸素
フィチン酸は活性酸素の除去ではなく、活性酸素の発生を抑えているということになるのか。
それであれば、土の中にフィチン酸があった場合、初期状態は金属がフィチン酸にキレート結合され活性酸素は発生しないが、土壌の微生物の作用によりフィチン酸から金属が外れた場合に活性酸素を発生させて、土壌中のフェノール性化合物に作用してより大きな腐植酸を形成するという流れになりそうだ。