前回の維管束とオーキシンの記事で、オーキシンが維管束の形成に関与している事に触れた。
高校生物でオーキシンの内容に触れる時、オーキシンの有名な働きとして、
側根や不定根の発根の促進がある。
側根や不定根は栽培において秀品率の要であるので、発根の動きをイメージできるのは何かと強いということで、発根についてもう少し掘り下げてみる。
これは双子葉植物の維管束のパターンの一つである並立維管束を慣れないGIMPで頑張って描いた。
GIMP - GNU Image Manipulation Program
導管と師管の数は書きやすさ優先で気にしていない。
簡略化の為に二次成長(肥大成長)については触れない事にする。
オーキシンは頂端で多く合成されているので、
頂端で合成されたオーキシンが師管によって運ばれてくるということにしておいて、地面付近にまで到達したオーキシンは内皮の内側にある内鞘の細胞に作用して、
外側に向かって細胞分裂を始める。
これが発根になるわけだけれども、この時オーキシンは外側に向かって分裂を誘導する作用も合わせて持っているが、それは今回は触れない事にする。
前回触れたオーキシンは維管束を形成する働きがあるため、導管等を伸ばしつつ、根を伸長させる。
確か根の先端は細胞内の養分の濃度が高いはずだから、サイトカイニン等の作用関係なく自然に養分転流が起こるはず。
秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?の記事で触れたが、オーキシンの発根作用の際に亜鉛も重要になる。
どうやらオーキシンの合成に亜鉛が大事というわけではなく、発根に関与する細胞内で亜鉛が何らかの働きをしているそうだ。
ちなみにオーキシンはアミノ酸のトリプトファンから合成される。