昨日、これ読んどいてと渡されたとある学会から発行された読み物を読んでいたところ、乳酸菌が合成するL-β-フェニル乳酸が作物の発根を促進するという内容が記載されていた。
フェニル乳酸という名前から表現が正しいか?は自身はないが、
By Bryan Derksen - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
芳香族(ベンゼン環を持つ)の乳酸ということになるだろうか?
せっかくの機会なので、フェニル乳酸で論文の検索を行ってみたところ、根伸長促進物質 L-β-フェニル乳酸が水稲幼植物の生育に及ぼす影響 新大農研報,62(2):97-103,2010という論文が見つかった。
この論文を読み進めていたところ、興味深い内容が目についた。
その内容を抜粋してみると、
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オーキシンは低濃度で根の伸長作用を示す。また、オーキシンは亜鉛との相互作用で発根を促進する
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※上記の論文の97ページ目より抜粋
発根に関わる植物ホルモンであるオーキシンは微量要素である亜鉛との相互作用で発根が促進されると記載されていた。
先生に覚えておけと言われたジンクフィンガーを私はまだ忘れていません
概要には他に植物ホルモン以外の植物成長調整剤としてサリチル酸があると記載されていた。
サリチル酸と言えば、植物の防御に関わる物質で、これまた芳香族のアミノ酸を基に合成される。
※オーキシンも芳香族のアミノ酸を基に合成される
今回の話を基にして、興味深い読み物も一緒に検索に引っかかった。
その読み物というのが、特集 ぼかし肥料の発根促進作用における乳酸菌の働きについてでトリプトファン(オーキシンの合成の基になるアミノ酸)とフェニル乳酸を混合した際、各々の単体を与えた時よりも数倍量、不定根が増えたというデータを紹介していた。
今回の記事でわかったことは、トリプトファン + フェニル乳酸 + 亜鉛で発根が促進されたということで、今回の知見は発根に関することをまとめてみるとの知識に加えることにしよう。