前回のナスの漬物で残したい色素のことがわかった上で、

ナスの糠漬けに話を戻したい。

茄子の糠漬けで鮮やかな色の基は何か?



質問者に糠漬けの構成を聞いてみたところ、下記の返答があった。

糠以外は焼ミョウバン、第一酸化鉄、昆布、鷹の爪をいれております。丸まま調味液漬やカットの調味液漬は良い色ばかりです。


論文にある構成は含んでいるね。


これらを踏まえた上で、質問にあった着色が悪い茄子の漬物を見ておくと、



こんな感じ。


とりあえず今の話をまとめておくと、

・収穫後、漬けるまでの間の茄子の皮で色のおかしいものはなかった。

・液漬の方でも色の悪いものは見られなかった。


液漬はおそらく均等に分けるなりで使用するので、

液体内の物質の撹拌をずさんにしていない限り疑う必要はないだろう。


となると茄子の皮の方に着目した方が良さそうで、

漬ける前におかしな色の果実は見られなかったとなると、

漬けている間に色素がなくなってしまったことを真っ先に着目するのが良いだろう。




今話題に挙がっている茄子の色素はナスニンと呼ばれるもので、

高い抗酸化作用を持ち、不安定でもある。


漬物で色をのせる時、

ミョウバンの中に含まれるアルミニウムや鉄と結合させることで安定にさせ、

発酵時に乳酸の生理活性による分解を阻止する。

※主に周辺環境のpHの低下によるもの?




話の詳細に入る前に酸化還元について見ておくと、

植物に限らず生物は自己の免疫として活性酸素の発生と鎮静を常に行っている。

この時に利用されるものとして鉄イオンがある。

しかも二価の鉄(Fe2 )


鉄から電子を取り出して、他の物質に電子を与える酵素があって、

その酵素が活性することで酸化状態の物質が還元される。

鉄と上手なお付き合い


詳しいメカニズムを見たわけではないので簡単な説明で判断するに、

ナスニンには抗酸化作用があるということで、


おそらくだけど

以前紹介した赤玉の玉子の殻で行われている自己防衛と同様の反応がナスの果皮上でも行われているとすると、

卵の殻の硬さ以外の防御



収穫から糠漬けに漬けるまでの間に、

果皮上で頻繁に酸化還元反応が発生していた果実があり、

それが漬物にする手前あたりで色素が消費され、

結果漬物の色がのらないということになるのでは?

と予想している。


となると、

ナスの収穫時にストレス過多な状態を避ければ、

漬物にする直前の果皮上の酸化還元反応の量は減るのではないか?と


ストレスというのがあまりにも抽象的なので、

鉄が程よい量で吸収されることを務めるのが最初の解決策かもしれない。


というわけで、

キレート鉄の使いどころに続く


補足

ストレスに関する予想として果実内に酸化剤的な作用を持つ物質を溜め過ぎた?

酸化剤としての硝酸態窒素