とあるサイトでシアノバクテリアから発見された糖にシキミ酸回路内の酵素を阻害するものがあったという論文の紹介記事があった。
写真:ねこのしっぽ 小さな生物の観察記録より引用
シアノバクテリアとは酸素発生型の光合成を行う細菌のことで、
古い呼び名では藍藻と呼ばれている藻類?である。
シキミ酸回路といえば、
Journal of Pesticide Science 6 〔1},February 1981 112ページより引用
植物特有の光合成産物からトリプトファンやフェニルアラニンといったアミノ酸を合成する回路で、
現在市販されている除草剤でこの回路に作用しているものもよく見かける。
今後何らかで影響がありそうなので、
元になった論文を読んでみた。
シネココッカス属のSynechococcus elongatusというシアノバクテリアが合成する7-deoxy-sedoheptulose(7-デオキシセドヘプツロース:7dSh)というレアな糖ががシキミ酸回路のシキミ酸を合成するまでに使用する酵素の活性を阻害する。
論文中ではグリホサートとのシロイヌナズナでの比較実験があり、
7dShはグリホサートと同じようにシロイヌナズナの生育が阻害された。
※文献中では酵母等を含むサッカロミケス属への活性阻害にも触れている。
諸々の課題はあるが、新たな除草剤として期待出来る。
藍藻は微細藻類に区分され、
研究が難しいとされていた生物群である。
微細藻類の急速な解明によって、
社会は大きく変化していくのかもしれない。
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