前回、連作障害についてと、障害の一つの肥料成分のバランスが崩れることについてを記載した。
今回はある種の(作物目線での)病原菌や害虫が増えるについてを見ていきたいと思う。
連作によって病原菌や害虫が増える。
よく言われるのがカビによる病気等だけど、微生物って何かとイメージしにくい。
ということで、一般的にはあまり知られていないけど、栽培ではよく出てくるセンチュウで考えてみる。
センチュウとは
By Agricultural Research Service [Public domain], via Wikimedia Commons
ミミズのような線形動物を肉眼では見えないぐらい小さくしたような動物で、
(※肉食のセンチュウの場合は見れたりする)
植物寄生型は根に寄生して、植物から養分を吸ったり、コブを作って住み着かれたりする。
このセンチュウというのが厄介で、寄生された時に病気の菌と一緒に入り込み、根が感染して部分的に腐ったりする。
まぁ、言ってみれば、根こぶ病や根腐れ病を引き起こすことがあるということだ。
で、このセンチュウがどのように連作障害を引き起こすか見てみよう。
センチュウにとっての宿主がいたら、宿主の根の周りでセンチュウの個体数は増える。
植物を根ごと抜いてもセンチュウは残る。
で、次の作付けで、
連作の畑(右側)に作物を定植したら、多くのセンチュウの餌食に合い、作物はすぐに弱るというわけです。
因みに連作をしていない畑(左側)でもセンチュウは少しはいるが、センチュウ自体の個体数が少ないので微々たる程度の影響しかない。
カビや細菌病にも言えるけど、要は周囲にどれだけ悪影響を与える生物がいるかが大事で、連作をするとその個体数が増えるというわけ。
だとすると、栽培をすると病原菌等がどんどん増えていくんじゃないの?と言うことになるけど、実際はそうならない。
次回から、そこらへんについて見てみる。
-続く-