酸素供給剤という肥料がある。
たとえば、
(写真:ネオカルオキソ 10kg 花 野菜 ガーデニング 畑の肥料:株式会社京都農販)
保土谷化学工業株式会社のネオカルオキソ
このような地温や草抑えの為に畝にマルチという資材を覆ったところでは、
土が酸素不足に陥りやすい。
酸素不足に陥ると、根張りが悪くなり、
全体的に株が弱くなり、
秀品率が激減する。
大雨で通路に水が溜まって、
なかなか水が引かない時はさらに危ない。
そういうところで酸素供給剤が活きてくる。
酸素供給剤は過酸化カルシウムが主成分で、
化学式はCaO2で酸素が多いから過酸化。
水に溶かすと
CaO2 + 2H2O → Ca(OH)2 + H2O2
で過酸化水素H2O2が発生する。
過酸化水素は生物の解毒作用として知られるカタラーゼにより、
2H2O2 → O2 + 2H2O
で酸素O2が発生する。
栽培中、散水という形で水を与えることが多いけど、
散水の水に酸素供給剤を入れ散水を行う。
根元に過酸化水素が溜まり、
そこらにいる生物が過酸化水素から酸素を取り出し酸素を供給する。
これが酸素供給剤が効くまでの流れ。
ついでに、
消石灰Ca(OH)2が残るので、
土壌のpHが上がる効果もある。
酸素供給剤に頼る栽培にするなら、
栽培開始前の石灰によるpH調整は控えめにしないとな。
そういえば、
過酸化水素と言えば、
キノコが難分解の有機物を分解する時にも使ったけど、
分解がはじまったばかりの木質資材が多い場所では、
木質資材の分解が速まったりするのかな?