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HiCさんによる写真ACからの写真


野菜の美味しさとは何だろう?ポリフェノールと食物繊維で師が栽培していたゴボウが美味しいという思い出から、ゴボウの美味しさというものを整理してみた。


前回は単純に甘味や旨味を見たけれども、美味しいゴボウの大きな特徴の一つとして思い浮かぶこととして、


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cheetahさんによる写真ACからの写真


ゴボウの香気だろうか。

美味しいゴボウであればある程、香気も目立っていたように感じる。


ゴボウの香気について調べてみたら、論文は検索に引っかからなかったが、一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集の口頭発表でゴボウの香気について触れているものがあり、

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2-methoxy-3-(1-methylpropyl)-pyrazine および2-methoxy-3-(2-methylpropyl)-pyrazine が最もゴボウ様香気に寄与していた

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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016) - J-STAGEより引用

と記載されていた。


Pyrazine_2-methoxy-3-%282-methylpropyl%29-

※引用:Pyrazine, 2-methoxy-3-(2-methylpropyl)- | NIST Chemistry WebBook


メトキシピラジン類の化合物で、ワインやコーヒーの香りでも度々目にする香気物質になる。

メトキシピラジン - Wikipedia


ゴボウの香気物質を見るのはここまでにしておいて、人が味を感じる事について触れることにしよう。




人が食材や調理した食事から味を感じる時、舌が味を感じる前、つまりは食物を口に含む前に、食物から発せられる香りを感じている。

食べ物を口に含め、歯と舌で咀嚼しながら食物を細かくしている時、食物から発生する香りが


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tomorrowさんによるイラストACからのイラストを一部改変


口から繋がる鼻腔を上昇して香りを感じる。


この咀嚼前後に感じる香気も美味しさを感じる上で大切な要素だとされていて、前者の口に含む前の感覚を前鼻腔性嗅覚(オルソネーザル嗅覚)と呼び、後者の咀嚼後の感覚を後鼻腔性嗅覚(レトロネーザル嗅覚)と呼ぶ。

食感をめぐるサイエンス - 株式会社 化学同人 2ページより引用


人は後鼻腔性嗅覚が発達しているが故に、風邪で鼻が詰まっている時に味を感じにくくなる。


香気と臭気の違いは、鼻の中に冒頭にあるような分子を感受するセンサーがあり、香気を感じるセンサーと合う物質の存在を感知したら香気で、臭気はその逆。


チーズの熟成の際に香気の話題に触れていたけれども、大量にあれば悪臭として感じられるものでも、少量であればむしろ良い香りと感じるものもあるらしいので、単純に良し悪しの問題ではないらしい。


ちなみに、香りが重要なお茶やコーヒーでは、前鼻腔性嗅覚のことを鼻先香や口中香と呼び、後鼻腔性嗅覚のことを立ち香、含み香や戻り香と呼ぶらしい。

『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』(旦部 幸博):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部 121ページより


いずれは肥料の選定によって香りを良くすることを目指したいので、香気物質について深く知るべきなのだろうな。


追記

ゴボウの香り成分は他にフェニルアセトアルデヒド脂肪族アルデヒド類セスキテルペンラクトン等もあるらしい。

ゴボウの香り成分と適した土壌について | みんなのひろば | 日本植物生理学会


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