先日から連日で投稿している飛騨小坂の溶岩流の先端のところあたりに、
飲用可能な炭酸冷泉が湧いている。
小坂の炭酸泉は炭酸含有量が非常に高いことで有名で、
写真ではわかりにくいけど、
水からは絶えず発泡していて、
飲んでみるとシュワシュワとサイダーを飲んでいるような感覚となる。
味といえば、
なんか血を舐めたような味で、
炭酸の爽快感に血の味となんとも不思議な感覚であった。
血の味というのは、今まで紹介してきたこの地域の水質である、
マグネシウム、カルシウムとキレートされた二価鉄の鉄によるものだろう。
温泉(今回は冷泉だけど)であれば、成分表がどこかにあるはずで探してみたところ、
成分表には下記のように記載されていた。
泉質は含鉄(Ⅱ)-ナトリウム-炭酸水素塩、塩化物冷鉱泉で飲浴両用の鉱泉です。飲用の効果は慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病などに適応があります。また、飲湯巌は約54,000年前に御嶽山の大噴火の溶岩流によって出来た巌立の石を使用しています。東屋は地元特産のヒノキを使用して造りました。
最近、温泉は地球を知る上で大事なのではないか?と思い始め、
日本温泉学会の方々が最近の温泉の研究についてまとめてくださったありがたい本が、
株式会社ナカニシヤ出版の温泉と地球科学という書名で出版されていたので購入して読んでいる。
第一章が火山に湧く冷たい炭酸泉でまさに小坂の冷泉にドンピシャで、
帰宅後、さっそく読んでみた。
炭酸泉というのは、
火山が近くにあるところで湧き、
炭酸は火山の地下深くにあったマグマから吹き出したものらしい。
炭酸には大きく二酸化炭素(CO2)と重炭酸塩(XHCO3 : Xには陽イオンが入る)がある。
小坂の冷泉は天然のサイダーだけあって二酸化炭素を多く含みつつ、
成分表を見るとナトリウム-重炭酸塩と記載されていたので、重炭酸塩も多く含んでいる。
※ナトリウム-重炭酸塩=重曹
重炭酸塩といえば、
栽培で消石灰以外で土壌のpHを上げるために重宝する水溶性の生理的塩基性肥料で
ある地域で蔓延したカビ由来の病気の解決で重宝する肥料がある。
炭酸の起源は一概にはいえないけれども、
フォッサマグナの際に記載したようなプレート同士がぶつかり、
重い海のプレートが沈み込む際の作用でプレートが溶けマグマだまりが形成される。
このマグマ溜まりがいずれ地表に現れるなりして火山ができるけれども、
このプレートの沈み込みの際に、
石灰岩が多く含まれていると石灰岩がマグマだまり形成の熱によって変成して
二酸化炭素なり炭酸塩(や重炭酸塩)へと変化する。
これらの生成された炭酸が何らかの作用で地下水と混じって、
それが何らかのきっかけで湧水となる。
湧いた水には鉄が多く含まれているとのこと。
空気に触れてすぐに鉄は酸化されるため、
湧水を垂れ流している箇所でちょっとした赤い川になっていた。