前回、生理的酸性肥料って何?を書いたので、今回は流れで生理的塩基性肥料について書こうかなと。


塩基性というのは、アルカリ性のことで、pHを上げるもの。


生理的酸性肥料が、強酸と弱塩基からなる塩(えん)だったので、生理的塩基性肥料はその逆で、弱酸と強塩基からなる塩ということになる。

塩と書いて、「しお」と読みたいけどここでは「えん」で


有名どころは、炭酸石灰(カルシウム)で、カルシウム肥料のはずなのにpHの調整の際に使用される。

炭酸カルシウムは、炭酸と水酸化カルシウムからなる塩とのことで、炭酸が弱酸、水酸化カルシウムが強塩基になるらしい。


で、炭酸カルシウムはくよう性なので、水にはほとんど溶けないけれども、水に溶かしてみると、

CaCO3 + 2H2O → Ca(OH)2 + H2CO3

H2CO3 → H2O + CO2


水酸化カルシウムが土壌に残り、炭酸イオンの方は水と二酸化炭素になったし、これらはpHに影響を与えないから、これでpHは上がるでしょ?

ということらしい。


硫安然り、炭酸カルシウム然り、肥効を考えるならば、水への溶け易さや水に溶けた先の反応まで見ておかないと、おいおいは痛い目見るよってことなんだよね。

pHは下がり過ぎると、アルミニウム障害だし、逆に上がり過ぎても、カリウム欠乏とかを起こすし、施肥をNPKだけで判断してたら、じわじわ落ちて、営農は自然倒産につながってしまう。

土壌の酸性具合に気を付けろ

適性のpHを考える