養液栽培(水耕栽培)をしている方から、養液を交換せずに栽培を続ける方法はないか?と相談を受けた。

この相談の背景には昨今の肥料不足で交換用の養液が入手できず、新しい養液を入れ替える事ができないそうだ。

結果として、根腐れが発生してまともなものが収穫できない状態になっている。


水耕栽培は土耕と比較して、海外依存率が非常に高い栽培であったため、いずれはこうなるだろうと予想はしていたけれども、こんなにも早く訪れるのは意外だった。

変化というものは突然訪れるようだ。

栽培と畜産の未来のために2




はじめに養液栽培の養液について触れておくと、



ヤシガラやロックウールといった養分のない培地に株を定植し、養分計算とpHの調整を行った養液を培地に対して流し込む栽培方法を指す。

グローバック栽培


化学的な測定を定期的に行い、養液内で不足したであろう成分を補いながら栽培を続けるが、時々養液を交換する必要がある。

養液交換の理由は株の根腐れを起こしてしまうからだそうだ。


根腐れの原因を調べてみると、草刈眞一 養液栽培におけるPythium根腐病の発生生態と防除 - 植物防疫 第 65 巻 第 2 号(2011 年)に根腐れに関与する糸状菌や細菌が増殖するからと記載されていた。

これらの微生物が活性化する要因は養液中の溶存酸素が低下することであるらしい。


回避する手段は殺菌的な処置で養液中の病原性微生物の個体数を減らすか、養液中の酸素の量を増加させるかになるが、これらの他に病原性微生物の個体数を増やさないというアプローチも必要となる。


一番目の殺菌的な処置には紫外線や熱殺菌がある。

※亜リン酸肥料の定期的な施肥もあるが、現状の社会情勢から有効な手段ではない。

亜リン酸肥料、再考


酸素量を増やすのはマイクロバブルあたりだろうか。

水耕栽培でマイクロバブルの利用は有効か?


最後の病原性微生物の個体数を増やさないことだけれども、これは株の根圏から分泌されるものをしっかりと意識していく必要がありそうだ。


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