稲作の事を知る為に、様々な水田の様子を見ているのだけれども、
田の底を動く大きな巻き貝?を見かけた。
もしかしてこれは俗に言う世間を騒がすジャンボタニシスクミリンゴガイか?
ジャンボタニシであれば食欲旺盛でイネの茎を食べて枯らしたりする厄介者で、この巻き貝が広まるのはなんとか阻止したいところ。
卵には毒があって、貝に直接触っても何らかの感染症の恐れがあるため、駆除が難しいらしい。
ジャンボタニシの駆除でとられている方法を調べてみた。
スクミリンゴガイ - Wikipediaのページによると、天敵(コイ、カルガモや水生昆虫)、トラップによる捕獲や農薬といった事が記載され、他にイネにフルボ酸を与えて株を丈夫にしてタニシに食害を受けないようにするといった事があるそうだ。
フルボ酸(腐植酸)の施肥で茎が固くなるというのは、タニシの防除に関係なく積極的に取り入れるべき内容だ。
イネの茎を周辺の他の草より丈夫にして、タニシによってイネよりも他の草を食べてもらい除草作業を行う方法も検討されているそうだ。
栽培学headline013 環境保全型稲作除草剤に頼らない水田の除草法の例 - 信州大学農学部
ジャンボタニシに除草を期待するには、徹底した水管理が必要になるそうだ。
※田に水がなくなると休眠する
一番わかりやすい農薬について見ていくことにしよう。
ジャンボタニシに有効な農薬はいくつかあるけれども、注目されているものにリン酸第二鉄(FePO4)というものがある。
ジャンボタニシがリン酸第二鉄を摂取すると鉄が消化器官に病理的な変異を引き起こし摂食障害を起こすそうだ。
リン酸第二鉄自体が稲作にとっては肥料として効くので、タニシに最も狙われやすい田植え後の初期生育の肥料として利用すると有効であるそうだ。
※リン酸第二鉄は使用回数制限が設けられていない農薬
暖冬の影響でジャンボタニシ大発生の予兆!? 生育初期の稲を食害から守る3つのポイント|ニュース|農薬|JAcom 農業協同組合新聞
となると、土作りを徹底して、初期生育にリン酸第二鉄を肥料として与える。
田の水位の管理をこまめにするといった事が重要になるということか。
追記
温暖化の影響で日本でのジャンボタニシの越冬の生存率が増えているらしい。