南九州の黒ボク土


アロフェン質黒ボク土の地域関連の方から下記のような連絡があった。

黒ボク土にはリン酸を入れて、活性アルミナとリン酸を全て結合しなければダメだ。

だから、施肥には必ずリン酸をたくさん入れなさいと専門家に指導された。


まずは用語の整理で

アロフェン質黒ボク土は火山灰由来の火山ガラスのアロフェンが主体となって、

長い年月をかけて腐植と結合して黒くなった土を指す。


アロフェンは非常に高い保肥力を持ち、

アロフェン主体の土質はふかふかして排水性と保水性も高いとされる。


欠点はアロフェンは酸に触れる等の風化作用により活性アルミナとして水酸化アルミニウムを溶脱しやすい。

黒ボク土は本当に良い土なのか?前編

同型置換で粘土鉱物の持つ保肥力を高める


溶脱した活性アルミナを植物が吸収すると、

アルミナの毒性によって植物の根の伸長は停止してしまう。

土壌の酸性具合に気を付けろ


戦後の古典的な農学では、

この活性アルミナは水溶性のリン酸と結合しやすい特徴を利用して、

リン酸アルミニウムというリン酸塩にして無毒化する。


リン酸塩にさせるための量よりも更に多くのリン酸を投入して、

活性アルミナが土壌中からなくなってから余剰のリン酸を効かせる

という対処をして黒ボク土での秀品率を高めた。


つまるところ、

黒ボク土の欠点は化学の力業で有害な形状のアルミニウムの量を減らした後栽培を開始する

というマイナスなものをゼロにしてから行動するという対処法となる。




最近の土壌学において、

腐植の蓄積はアルミナケイ酸塩鉱物が関与している

という考え方が広まりつつある。

植物が利用できるシリカはどこにある?


アルミニウムを持つ鉱物、もしくは活性アルミナ自体が腐植酸と結合して、

活性アルミナは無毒化、腐植酸は活性アルミナとの結合によって安定化し土壌微生物による分解の耐性を得る。

土壌のアルミニウムが腐植を守る


これはマイナスの要素に - 1をかけて、大きなプラスの要因に変えてしまうようなものだ。


要は活性アルミナを包んで、毒性が植物に当たらなければ良いわけで、

その包む物質がリン酸か、もしくはそれ以上の作用のある物質で包み込めば黒ボク土の難所の一つは突破する。


あとは、

黒ボク土特有の酸性土壌であったり、腐植酸の持つ弱酸性によって、

更なる活性アルミナの溶脱を避ければ、

おそらくアロフェン質黒ボク土は日本の土質の中で最も素晴らしいものであるはずだ。


関連記事

苦土があるところ