脱酸素剤の中の鉄を書いている時にふと思った。
砂鉄(磁鉄鉱)って玄武岩質的火成岩や火山灰にたくさん含まれているということになっているでしょ?
つまるところ、土の種類によって磁力の強弱があるわけで、
植物の根にとって磁気って何らかの影響を与えているのだろうか?と
というわけで、
植物と磁気について研究している論文がないか調べてみた。
JAXAの宇宙科学研究所の論文で
強磁場環境がシロイヌナズナ芽生えの成長に与える影響 Space Utiliz Res, 28 (2012)
というものがあった。
院生のチームが投稿した論文だね。
読んで簡単に要約してみると、
暗所、白色光下、青色光下、または赤色光下において生育した芽生えにおける胚軸成長に対する強磁場の影響を調べ、
青色光下で胚軸成長が抑制されたが、強磁場はその抑制効果を緩和した。
青色光といえば、光の波長でいうところの紫外線寄りの高エネルギー可視光線に当たる光で、
紫外線の情報だけに絞るとちょうど今あたりから夏に向けて紫外線が強くなる。
紫外線が強い ≒ 青色光も強いと仮定すると、
さぁ、これからあたたかくなるという季節で植物は青色光の影響を強く受ける。
青色光は胚軸伸長の抑制の他に子葉展開や気孔開口に関わっているという研究結果がある。
植物における4つの青色光センサーの機能分担を明らかに - 独立行政法人理化学研究所
強い光を浴びることができたら、
胚軸のようなひょろっとしがちの器官を伸長させる必要はなくなるもんな。
胚軸伸長の抑制を強磁場で緩和ってどういうことなんだろうな?