前々回の体内で乳糖が分解された先の記事で
ラクターゼ活性持続症の方が牛乳に含まれる乳糖を分解したらグルコースとガラクトースに分かれ、
癌化した細胞はガラクトースを多く欲するであろうことを記載した。
前回の乳酸菌と乳糖と乳酸発酵の記事で
牛乳を乳酸菌によって乳酸発酵させると、
乳糖から生成されたグルコースは乳酸発酵に利用され、ガラクトースは細胞外へ排出される
という内容を記載した。
これを踏まえた上で、
ガラクトースの消費周りのことを把握したくなって検索してみた。
検索の結果、
総論 ビフィズス菌の多様な糖質分解酵素と腸内接着 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria
という論文に辿り着いた。
ビフィズス菌が棲息する消化管下部には腸内細菌が容易に分解し吸収し得る糖成分がほとんど届かないために、ビフィズス菌は糖を最大限有効に利用するための多様な糖分解酵素を有すると考えられているらしい。
ガラクトースもルロワール経路を経て生体内で重要な物質へと変化していく。
つまるところ、
腸内細菌叢でビフィズス菌が優位であれば、血中のガラクトース濃度が高くなりすぎることはないし、
ビフィズス菌は乳糖にも何らかのポジティブな影響があるらしいので、
血中の乳糖濃度が高くなりすぎることはないと言える。
とりあえず、
乳酸菌系のものを摂取すればビフィズス菌は活発になるという報告もあるので
ガラクトース濃度が高いであろうヨーグルトであっても、
人体の健康に対して効果があると言えるはず。
ただ、
冒頭にあったビフィズス菌が棲息する消化管下部という表現が少し気になっている。
ここらへんを追求する為には知識が足りないので、
一旦保留にしておこう。
実際の論文はまだ読んでいないけれども、
個人的なメモとして腸内フローラに関する論文を載せておく。
ビフィズス菌が持つフコシルラクトース利用遺伝子は乳児の腸内フローラの形成に影響を与える Nature Communications 7 (2016)
ヒト由来の糖質に作用するビフィズス菌酵素 Japanese Journal of Lactic Acid Bacteria Vol.27. No. 1