イネ科緑肥の再考のアレロパシー編までの一連の記事で元になっている本が、
化学同人から出版されている植物たちの静かな戦い 化学物質があやつる生存競争で、この本を改めて紹介すると、アレロパシー(他感作用)の仕組みと、各植物が分泌するアレロケミカルの紹介が主であり、予想を超える種類の植物がアレロケミカルを分泌していることに驚く。
緑肥は大変だとか、それなり以上の規模では活用できないと思っている方でも、アレロパシーの話には希望が持てるものばかりなので、上で紹介した本は秀品率が下がり始めているという農業者にとって読んで欲しい本であると言える。
その中で、日本であれば沖縄あたりで緑肥として活用されているらしいハッショウマメ(ムクナ)のアレロケミカルが面白いので紹介しておく。
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ハッショウマメというのは植物園の熱帯植物のハウスでよく見かけるヒスイカズラというマメの仲間で、
このハッショウマメが分泌するアレロケミカルというのが、
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L-ドパ(正式名称:L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)という物質らしい。
L-ドパの右側の炭酸(-COOH)を外すと、かの有名な
By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
ドーパミンになるということで、L-ドパは神経の話で頻繁に話題に挙がるドーパミンやアドレナリンといった物質の材料(前駆体)となる。
L-ドパが植物、特に広葉の草に対して生育を阻害する上、昆虫の殻の硬化に関与する酵素を阻害するという作用もあるので面白い。
ちなみに人体では、L-ドパはアミノ酸のチロシンを基に合成されるので、神経をまともに動かす為にハッショウマメを摂取する必要はない。
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