秋頃に投稿した椰子の実の脂肪酸と菌根菌の記事以降、(特に植物で)ラウリン酸を含むものを探している。
動物であれば、ラウリン酸は乳製品に多く含まれているらしいけれども、植物性の製品や微生物による合成ではなかななラウリン酸を見かけない。
ラウリン酸が菌根菌の活性に関与しているということであれば、
堆肥中にラウリン酸が豊富に含まれていれば素晴らしい事になるわけで、
できれば植物性の有機物を基に土壌微生物による発酵でラウリン酸が増えたということが望ましい。
発酵を着眼点としてラウリン酸の検索を続けていたら、
古賀邦正 Tips for B・F・D 酒類の熟成についての一考察(1)―ウイスキーの熟成機構を参考にして― Sake Utsuwa Research / 11 XI
という読み物に行き着いた。
タイトルを見て予想出来る通り、
ウイスキーの熟成の際の成分に関する記述があった。成分に関する記述を抜粋すると、
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ウイスキーの発酵モロミには、原料の大麦麦芽やピート由来の成分、発酵由来の成分など、非常に多くの成分が含まれています。このような多様な成分を含む発酵モロミを蒸留することで、多様な揮発成分が取り出され、これらがニューポット(蒸留液)の特徴を決定しています。とくに、香りに関与するエステル類、フーゼルアルコール類、有機酸類、フェノール類の数が多く、これまで報告された揮発成分の数は 230 種余になります。(途中省略)また、酢酸以外の有機酸では、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸などの中鎖の脂肪酸が多いです。
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※上記の読み物の8ページ目より抜粋
発酵モロミや蒸留液にはラウリン酸が含まれているそうだ。ラウリン酸は貯蔵中でも残るとされ、ウイスキーのフルーティーさの要因となるらしい。
ウイスキーに限らず酒の製造というものは当たり前だけれども、土着菌といった自然にいる微生物が発酵に関与している。
上記の文章から大麦麦芽、ピートや発酵に関与した微生物を辿れば、ラウリン酸が豊富に含まれているものであったり場所であったりがわかるようになるかもしれない。
ウイスキーを見てみるか。