前回のpHによるアントシアニンの色の変わり方を見るの記事で、pHによってアントシアニン(もしくはアントシアニジン)の色は変わると記載した。
アジサイから始まったけれども、アジサイは別の仕組みであり、上記の例に該当するのはアサガオという内容で前回の記事を〆た。
株式会社誠文堂新光社の朝顔百科には下記のように記載されていた。
/**************************************************/
朝顔のアントシアニンは中性から弱酸性では本来紫色を呈するが、開花時に花弁で色素を溜め込んでいる液胞がpHを上げ、アルカリ性にすることで青い花色を達成しており、花がしぼむと再びpHが下がるため元の紫色に戻る
/**************************************************/
※株式会社誠文堂新光社 朝顔百科 25ページより引用
と記載されていた。
アサガオは本来紫色で、pHの影響を受け青色になる?
アサガオはもっと色鮮やかな花がたくさんあるイメージだけれども、これはどういうことなのだろう?
この疑問を(広義の意味での)フラボノイドの知識から紐解いてみよう。
はじめにアサガオの色素について調べてみると、
Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
ペオニジンの説明にアサガオの記述があったので、アサガオの色素はペオニジンという事にしておく。
ペオニジンの構造は右の環(B環)にヒドロキシ基(水酸基、-OH)やメトキシ基(-OCH3)が付与されていて、中の環(C環)はプラスの電荷を帯びている。
この構造は前回のpHによるアントシアニンの色の変わり方を見るに記載したpHによる色の変化の条件を満たしている。
ペオニジンの色は赤色(pH2.0)から青色(pH8.0)があり、中間色に紫があるため、アサガオにピンクや赤色があってもおかしくはない。
ただし、花を咲かせる時に花弁のpHを高める機能はどのアサガオでも一緒であるはずなので、ほぼすべての株が青色になってしまうはずだけれども、
巷では色鮮やかなアサガオが咲いているわけで、ここには何らかの理由があるはずだ。
その理由を探る為のヒントが
おや、縁の一部の色があせてますよの記事で見た色あせたアサガオの花と
植物にとって大事な大半のことはアサガオが教えてくれるで見た変異の原因のトランスポゾンだろう。
トランスポゾンが頻繁に動けば、突然変異が起こりやすくなる。