前回のブナ科の風媒花の木々の記事で、ブナ科でどの属が風媒花なのか?を見た。
ブナ科の系統樹で風媒花の属を赤で囲い、それを踏まえた上で、
風媒花の属が(照葉樹林の)森のどこらへんに自生するのか?を見た。
※夏緑林のブナは除く
ここで一つ不思議に思う事がある。
それはクリ属の存在だ。
クリの木といえば、庭に植わっているイメージがあり、
葉も大きめの落葉性で林縁に自生する傾向があるはずだ。
クリの木といえば、開花時期に独特の匂いがあって、クリのハチミツがある事でもわかる通り、クリは虫媒花だ。
この虫媒花のクリ属の存在が、
赤で囲った木々たちが風媒花である事を更に不思議にさせる。
ここらへんの謎についての文献が見つからなかったので、風媒花の話はここまでにしておくけれども、せっかくクリの花は独特な匂いがして、しかも虫媒花ということなので、独特な匂いについて触れていくことにする。
クリの木の花の匂いについて調べてみると、スペルミンといった名称が出てきたり、スペルミンではなくアルデヒドだという記述が出てきたりという状態になっている。
※「栗の花の匂い物質は精液と同じくスペルミンが原因」はデマ - おち研 日常を科学で遊ぶ野良研究所のページを参考
とりあえず、頻繁に登場するスペルミンは触れておいて損はないので、スペルミンを見てみる。
Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる
スペルミンはポリアミンの一種で、オルニチンから生合成されているであろうと考えられている化合物である。
スペルミンは精液に多く含まれているらしい。
オルニチン自体が旨味を呈するアミノ酸である為、スペルミンを摂取すると人体に(毒ではない)何らかの影響を与える可能性がありそうなので、スペルミンの効果について検索してみたら、興味深い話題がたくさんヒットした。
長くなってしまったので、ヒットした内容は次回以降で触れていく事にする。
-続く-
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