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香酸カンキツの記事で香りが強く、酸味も強く、主に調味料として用いられるカンキツを香酸カンキツと呼ぶという内容を記載した。
上の写真は新姫(ニイヒメ)と呼ばれる香酸カンキツで、日本のカンキツ(田道間守)の伝説を引き継ぐ種であるので注目しているのだけれども、これらのカンキツの果皮にポリメトキシフラボノイドが豊富に含まれていることで世間でも注目されているらしい。
例えば、ノビレチン等ポリメトキシフラボノイドはナチュラルキラー細胞を活性化する - 農研機構に記載されているように、ポリメトキシフラボノイドはがん細胞に関して何らかの反応を示すという報告がある。
とりあえず、ポリメトキシフラボノイドの一種であるノビレチンについて見てみる。
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ノビレチンはフラバノン骨格を持ち各所にメトキシ基(-OCH3)を持つ。
構造を俯瞰した時の印象だけれども、ノビレチンの前駆体のフラボノイドと比較して反応性が減少するのでは?と感じてしまうが、動物実験において、ノビレチンの摂取により
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培養海馬細胞においてAMPA型グルタミン酸受容体を活性化し、ニューロンの長期増強を促進することが示されている。
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といった効果が期待できる。
神経系に作用しているので、動物の方の細胞でノビレチン等の受容体があるのか?と想像する。
ノビレチンは橘(タチバナ)にも豊富に含まれているらしいが、ノビレチンの薬理作用を考えると、田道間守が常世国から持ち帰った不老長寿の非時香菓(ときじくのかくのこのみ)は確かに不老長寿だと納得出来る。
田道間守がタチバナを最初に植えたところが熊野古道で、タチバナの子にあたる新姫が熊野市で誕生していることを考えると、タチバナの持つ伝説は永遠に続いていくと感じてしまう。
ところで、香酸カンキツはポリメトキシフラボノイドを何の為に合成しているのだろう?
果実を守る為に合成するにしては、果実を摂取する動物に対する恩恵が有り過ぎる。
昆虫に対して何らかの作用があるのか?