タンニンのタンパク質凝集モデルは地力窒素の理解に繋がるか?の記事で、地力窒素とは、タンニンのタンパク分解酵素を抑制しつつタンパクを凝集させる作用に拠るものなのか?という内容を記載した。


上記の話題が正しいとして、次に気になるのはタンニンによって凝集したタンパクの肥効についてだ。

肥効の順番はタンパクの分散 → タンパクを切断 → ペプチド → アミノ酸 → 無機化になるが、最初のタンパクの分散はどのような反応になるのか?


検索をしても求めている情報にたどり着かなかったので、タンニンの分解(低分子化)がタンパクの分散に繋がるという仮定で話を進める。

タンニンを単純な形に落とし込むと、ポリフェノール(フラボノイド)が重合した(何個も繋がった)ものだと考えられる。


上記の内容だとタンニンで最もシンプルな形はワインに含まれるプロアントシアニジンになり、


Proanthocyanidin2

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プロアントシアニジンは酸を添加することで2つのポリフェノールに分離する。

栽培時の酸といえば、植物の根から分泌される根酸(クエン酸やシュウ酸等)があるので、タンニンの低分子化による地力窒素の発現が正しいとするならば、植物は根酸により有機態窒素を得られることになる。

根酸が炭酸塩を溶かす


ここで二つ程疑問が生じた。

・石灰過多の土壌で、根酸が優先的に石灰と反応してしまった場合、地力窒素の発現は起こりにくくなるのだろうか?

・石灰過多により鉄等の微量要素の溶脱が抑制された場合、分散したタンパクは速やかに無機化されるのだろうか?

※後者の内容は土壌生物の栄養不足を意識するの記事に詳細が記載されている。


ここらへんについて検討している内容は見当たらないが、おそらく当てはまるだろうと思っている。