硝石の製造方法についての記事で硝石こと硝酸カリ(KNO3)は熟成した家畜糞と草木灰を混ぜて加熱した後に得られた絞り汁に含まれていることがわかった。
黒色火薬として用いるのであれば、この方法は適していたかもしれないが、農業利用といった大量消費の際にはこの方法は手間過ぎるので現実的ではない。
硝酸カリの工業的な精製方法はあるかもしれないが、その話は触れずに今回はもう一つのカリ肥料である塩化カリ(KCl)について再び触れてみる。
塩化カリには、植物を燃やして得られる灰塩、藻を燃やして得られる藻塩、
By Luis Miguel Bugallo Sánchez (Lmbuga Commons)(Lmbuga Galipedia)Publicada por/Publish by: Luis Miguel Bugallo Sánchez - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
鉱物由来と、
海水由来がある。
海水由来の塩化カリは海水から食塩を抽出(製塩)した後の液体(苦汁)を精製して得られるそうだ。
日本ではエア・ウォーター株式会社が所有する工場で塩化カリを製造しているそうで、年間2800トンの供給が可能とのこと。
塩化カリウム(農業肥料用) | 農業肥料 | エア・ウォーター株式会社 製品・サービスサイト
本題の慢性的なカリ不足の地域で有機質肥料を主眼に置いた栽培のカリの施肥に戻る。
製塩時の副産物として塩化カリがあり、工業的なプロセスで製造可能という点から、有機質肥料へのカリの添加は塩化カリに絞ってノウハウを構築していくべきだということがわかった。
製塩後の苦汁を精製して塩化カリを精製するとあるが、100%純正はコストがかかりすぎるので得られないと考え、不純物として塩化マグネシウム等が含まれているとする。
であれば、塩化カリの有機質肥料への添加に関して注意すべき点は、
・ECが上がりやすい
・塩化カリを水に溶かした際に発生する塩素イオンは電気陰性度が高いので、周囲の他の物質と反応するかもしれない
・知らない内にマグネシウムの量が増えてしまう
の三点だろうか。
ここらへんは丁寧に見ていきたいので、塩素イオンについて再び調べてみることにする。