魚粉肥料を施肥すると作物の食味が向上するのは何故だろう?の続き。

前回の記事では魚粉肥料を施肥することにより、旨味の向上が見られる作物としてトマトと旨味成分について見てきた。


今回は


kyonou_negi


ネギと魚粉肥料についてを見ていく。

ネギ栽培で魚粉肥料を使用している方が、食味の向上が見られるのはもちろんのこと、魚らしい旨味が増すと言う方もいたりする。


魚らしい旨味というのは、今までの記事からだとイノシン酸になるわけだけれども、ネギはイノシン酸を蓄積するのだろうか?

とりあえず、ネギと旨味について検索をしてみたら、堀江秀樹著 野菜の加熱にともなうグアニル酸の生成 - 日本調理科学会誌 Vol. 45,No. 5,346~351(2012)にたどり着き、ネギの旨味はグルタミン酸が主で、若干のグアニル酸が含まれている程度で、イノシン酸の記述はない。


上記の論文にはそもそも野菜のイノシン酸の記述がなかった為、ネギとイノシン酸に関しては何とも言えないが、検索を続けてみても、ネギにイノシン酸が含まれている調査結果が見当たらず、おそらくネギにはイノシン酸が検知出来ない程少ないか全くないかのどちらかなのだろう。


であれば、魚らしさとは何なのだろう?と考えてみることにする。




今までの内容で旨味の三大要素と表現して、あたかも旨味がグルタミン酸、グアニル酸とイノシン酸だけのように捉えてしまったが、三大要素という表現にはそれ以外の旨味が当然ながら存在するという事になるわけで、他の旨味成分について考えてみたら、旨味を呈するアミノ酸にはグルタミン酸の他に


Asparaginsaure_-_Aspartic_acid

NEUROtiker - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる


アスパラギン酸もあったなということを思い出した。

味覚とアミノ酸


アスパラギン酸であれば、ネギにも魚粉肥料にも含まれている可能性があるわけで、魚粉とアスパラギン酸について調べてみることにしよう。