庭に植わっている柑橘の木にはじめて実が成った。
食してみたら、甘かったが水気が多く感じ全体的に薄味だった。
糖の養分転流が盛んではなかったのだろうなと頭に浮かんだ。
ん?
養分転流であれば、もしかして核酸が柑橘の食味を向上しているのではないか?という事が頭に浮かんだ。
というわけで、養分転流について復習してみることにする。
養分転流というのは、
古い葉から新しい葉に養分を移行させたり、
葉から果実に養分を移行させたりする生理現象を指す。
養分転流で果実等に都合よく養分が転流するのは、移行先で植物ホルモンのサイトカイニンが働くことで浸透圧が高まることで養分が自然に流れ込むようになる。
果実に糖を転流させるのは、葉の光合成産物の量を増やすのはもちろんの事、移行先の器官のサイトカイニンの濃度を増やすことも大事になってくる。
そんなサイトカイニンだけれども、化学組成を見てみると、
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のようになっている。
※上記の化合物は天然のサイトカイニンのゼアチン
一見よくわからないが、よくよく見てみると、左下が核酸を構成するプリン体になっていて、サイトカイニンは核酸のATPから合成される。
ATPはDNA等の生物の設計図、エネルギーの運搬といった超大事な要素に用いられるので、単純に考えてこれらを満たしつつ、余剰となったATPが養分転流に用いられるはず。
核酸の合成はサルベージ経路という合成を効率化した合成経路が存在するので、イノシン酸のような核酸を吸収することでATPの合成の反応数を省略できる。
なんてことを考えていたら、柑橘の果実の食味の向上と核酸には密接な関係があるように見えてきた。
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