疲労とはなにか?の記事で、年末年始に読んだ本の中で『疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた』(近藤 一博):ブルーバックス|講談社BOOK倶楽部の本があまりにも良すぎて感銘を受けたので内容を紹介した。
内容は疲労回復の特効薬のような話ではなく、疲労とはなにか?を解明していく過程であり、わかっていないことも多い。
解明の過程段階というのは、各要素を細分化して各々を整理する段階でもあり、ヒントになることも多い。
前回の記事で疲労と疲労感について触れ、どちらも統合的ストレス応答(integrated stress response : ISRと表示する)というものが関与していた。
統合的ストレス応答という用語を挙げただけでは、これが何なのか?の想像はしにくいが、この本ではそれもしっかりと明記している。
疲労の基となるストレスは主に四種類記載されており、
・アミノ酸不足
・ウイルス感染
・酸化ストレス
・小胞体ストレス
があった。
用語ではわかりにくいが、最もイメージしやすいものが酸化ストレスだろう。
筋肉の疲労には酸素が関わった反応(酸化)があるので、酸化ストレスが体を動かして疲れたことを指すのはイメージし易い。
用語もわかりにくければ、イメージもしにくいのが小胞体ストレスだけれども、これは細胞学的な話題になるので今回は触れないでおく。
酸化ストレスの次にイメージしやすいのが、ウイルス感染だろう。
ウイルスに感染、つまりは風邪の症状の時は怠く感じる(疲労感に似ている)のでイメージしやすい。
最後に触れるのがアミノ酸不足だけれども、これは読んでいて意外だった。
人体の様々な生理的な反応はタンパクで構成された酵素によるものなので、アミノ酸不足は活動に影響を与えるといえばイメージしやすいが、これは指摘されるまでわからない。
甘い物ばかり食べていると疲れやすくなると聞いたことがあるが、体内の総アミノ酸量に対して糖質が多くなりすぎる事が疲労に直結するのだろうか?と頭に浮かんだ。
アミノ酸不足が社会問題化している疲労の主の要因であれば、アミノ酸を多く含む食品の価値は高いわけで、
※脱脂ダイズ
高タンパク(高アミノ酸)で最も生産性が高いダイズに注目しておいて損はないだろう。