家畜糞の完熟で変化していく臭いの記事で家畜糞ではないが、有機物の堆肥化での臭いの変化について見てきた。

家畜糞の熟成も同様の臭いの変化で良いと思っている。


この内容を踏まえた上で、先日話題に挙がった鉄触媒処理によって熟成は促進することができるのか?について触れていきたい。

最初に鉄触媒処理について触れておくと、重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄鉄は電子を受け取りやすく離れやすいという特徴があると記載した。


例えば、鉄が電子を多く持っている状態のFe(Ⅱ)と酸素を近づけると、鉄から電子が離れFe(Ⅲ)の状態になり、酸素に電子が付与されて活性酸素になる。

これは酸素が鉄の触媒作用によって活性酸素になったと見ることができる。


この内容はポリフェノール鉄錯体と酸素供給剤で青枯病の発生を抑制で触れた。

茶殻・コーヒー滓が触媒に?繰り返し使用が可能なフェントン反応 - 化学と生物 Vol. 54, No. 5, 2016




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生糞(排泄ホヤホヤの大便)の写真は載せたくないので、熟成が進んだ牛糞の写真にする。

家畜糞の熟成について整理してみると、下記の反応があれば熟成したと見なすと思う。

・水分量が減る(べちゃっとした状態から上の写真のコロコロとした状態になる)

・スカトール臭?やアンモニア臭が減り、火薬っぽい臭いに変化した

といった所だろうか。


上記の内容に関して、何処から触れていこうか。

とりあえず、火薬っぽい臭いの硝石(硝酸カリウム)について触れてみると、栽培と畜産の間にある糞詰り問題で家畜糞に含まれるタンパク等が分解して生成したアンモニアが硝化作用によって硝酸まで還元されて、周辺にあったカリウムと反応すると硝石になる。


この際に臭い成分であるアンモニアが消失している。

アンモニアから硝酸への反応は酸化(酸素の付与や電子の消失)であったはず。


ここではまだ鉄の触媒作用は関係なさそうだ。


次にコロコロとした状態になるについて触れていきたいが、話が長くなるので一旦ここまでにしておこう。


-続く-