哺乳類の大便の臭い成分は何か?の記事で哺乳類の大便の臭いは何か?を見た。

この内容を踏まえ、話題を次の段階に進めることにしよう。


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家畜糞の堆肥化について見ていきたいと記載したところだが、家畜糞と堆肥という用語を並べて使うと栽培上の様々な弊害を生むので、家畜糞の完熟という言葉に言い直して話を進める。

環境保全型栽培を謳うならば、家畜糞による土作りを止めることから始めるべきだ


完熟において一番注目している点は臭いではないだろうか?

この臭いを制すれば、完熟についての理解は深まるはず。


というわけで、家畜糞と完熟を主軸にして調べてみたところ、八王子市のサイトにあった堆肥化施設に適用される脱臭システムの検討結果が参考になった。

といっても上記URL先のPDFは家畜糞については触れていなくて、堆肥全般を指しているので、生ゴミ等も含めてよいだろう。


上記の報告書の75ページに堆肥化の際の臭いについて下記のように記載されていた。

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堆肥化において発生する臭気成分は、アンモニア、硫化水素、アルコール類(プロパノール、ブタノールなど)、揮発性脂肪酸(酪酸など)やアミン類(トリメチルアミンなど)など非常に多くの種類の物質が生成される。実際の堆肥化の過程では好気性菌や嫌気性菌によって発生する臭気となりこれらの菌が活動するバランスによって臭気成分も異なってくる。一般的に好気発酵では多量のアンモニア、メチルメルカプタン、ニ硫化メチル等がみられるが、硫化水素の発生は少ない。一方、嫌気発酵ではインドール、スカトール、中温で硫化水素の発生が著しく、不快臭である低級脂肪酸類も出現するがアンモニアの発生は少ない。よって、これらの組合せにより堆肥化における臭気成分は異なるので、臭気成分が一定となることはない。

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家畜糞の完熟の際は最初は嫌気に近いが、水分がなくなるに従って、好気という感じになるはずなので、最初はインドール等の臭いだけれども、徐々にアンモニアや硫化水素が目立ってくると見て良いだろうか。


この内容から更に考えることができるが、長くなるので一旦ここで止めておこう。