アカマツはアンモニア態窒素を好むまでの記事で木偏に公(おおやけ)と書いて松(マツ)と読む事の成り立ちが気になって調べてみたら、思った以上に様々な知見に触れることができた。
もしかしたら、他の木の漢字を見ても同じような体験が出来るかもと思い、
佐道健 木へんを読む - 学芸出版社という本を購入してみた。
開いてすぐに木偏の漢字を並べた目次のページがあったのだけれども、難読すぎて9割方読めなかった。
読めないということは今はまだ知らないということで、新たに出会える知見がたくさんある状態であることを体感した。
さて、木偏の漢字の一覧を手に入れたということで、早速木偏の漢字に触れてみることにしよう。
ちょうど今は寒い冬なので、木偏に冬と書いて柊(ひいらぎ)と読む漢字の木について見てみよう。
我が家は北東の位置に勝手口があって、勝手口というぐらいなので狭い場所にあるのだけれども、その勝手口のすぐ横にヒイラギの木が植わっている。
狭いが故に意識しないで通ると葉が刺さって痛い。
泥棒避けかよと突っ込みたくなる。
ヒイラギについて調べてみると、昔から邪気を払う木として扱われていて、家の北東に位置する表鬼門にヒイラギの木を植えると良いという文化があるそうだ。
木へんを読む - 学芸出版社の154ページを開いてみると、邪気を払う木としてのヒイラギに関して、古事記の話題を挙げていた。
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景行天皇が倭健命(ヤマトタケル)に詔し、東国を討たしたとき、倭健命に<ひひらぎ>の八尋矛を給う
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と記載されていた。
マツに引き続き、ヒイラギでもヤマトタケルが登場した。
ひひらぎの八尋矛について更に検索をしてみたら、比比羅木之八尋矛(ヒヒラギノヤチホコ)の用語にたどり着き、この武器に関連した神として八尋鉾長依彦(ヤヒロホコナガヨリヒコ)にたどり着いた。
出雲国風土記に登場する神であるらしく、
関連する神社は島根県にあるそうだ。
比比羅木之八尋矛の八尋には非常に長いという意味があるそうで、ヒイラギに見立てた非常に長い矛(槍や薙刀の前身となった武器)であったということが予想出来るそうだ。
ヒイラギの特異な葉の形状には霊力があると考えられていて、比比羅木之八尋矛にはヒイラギの霊力を込めるといった意味合いで形状を真似たのだろう。
ここで気になることがある。
古事記においてヒイラギに当てられた漢字が柊ではなく比比羅木だ。
何故、今は柊と書くのだろう?