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アカマツと刀の記事まででアカマツについて色々と調べていたわけだけれども、その時に興味深い報告を見かけたので今回はその内容について触れる。

その内容というのがアカマツと栄養としての窒素だ。


赤間亮夫等 アカマツの窒素利用特性と生育適地の関係 -林木の栄養生理における一考察- 森林総合研究所研究報告 第19巻3号 2020で高所で生息するアカマツとアカマツよりは低所に生息するスギの窒素利用特性についてが記載されていた。


スギは窒素を主に硝酸態窒素という形で吸収して、一旦体内で蓄積させた後にアミノ酸へと利用するが、アカマツはアンモニア態窒素の形で吸収して速やかにアミノ酸合成の材料として利用するという違いがあったそうだ。

窒素肥料の複雑さ


アカマツで更に興味深いのが硝酸態窒素を吸収したとしても、根で速やかにアンモニア態窒素に還元されアミノ酸合成に用いられるそうだ。

これこそがアカマツが劣悪な環境でも育つ要因になるのか?


上記の内容に関して、アカマツが好む環境は酸性土壌であって、アンモニア態窒素の硝化作用が起きにくいが故の特徴ではないかと。

アンモニア態窒素の吸収であれば、硝酸態窒素の吸収の際の塩基のバランスをとる必要はないらしく、カルシウム等の陽イオンの要求量も少ないとされる。


アカマツの好む環境ではカルシウムの量が少ないということもあるが、アカマツ自身がカルシウムの要求量が少ないという特徴もあるそうだ。




今回の内容を読んでいてふと頭に浮かんだ事がある。

そういえば水稲の窒素利用もアンモニア態窒素が多かったなと。

イネは肥料の窒素分をどう利用するか?


水稲もアカマツ同様、窒素成分を吸収する際、塩基バランスをとる必要があまりないといったことがあるのかな?