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木偏に公と書いて松の記事でマツの名の由来は神を待つや、緑を保つ等から転じたものだという諸説があるという内容を記載した。

ここで一つ違和感があるのが、マツが植わっている所は神に関する神社ではなく、寺のような庭園のイメージが強く、寺と神はなんかしっくりこない。


もしかして、マツを神格化したのは仏教伝来よりも前になるのか?と思い、ヤマトとマツについて検索をしてみた。




講談社から松と日本人(有岡利幸著)という本が出版されているらしく、丁寧なことに特設ページまで用意してくれているので、その内容を読んでみた。

日本人には特別な存在。神が宿る聖なる木「松」の魔力の秘密を解き明かす|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部


古事記等の仏教伝来前の内容が記載されている書物にはじめに松ありきという内容が記載されているそうだ。

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荒れた浜などに、他の樹木にさきがけて根をおろし、生育する松に対し、古代の人々は畏れと尊敬の念を抱いた。同じく『常陸国風土記』に、「浜の松の下には、泉が湧きだしており、その水は非常にうまい」と記されているように、松に山野の霊が宿ることを知り、神格化が始まっている。

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と記載されていた。


これはもしかして、


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海岸の砂地のような土の栄養が少ない土地でも巨木になっている様から松の神格化が始まったのか?

倭健命(ヤマトタケル)の歌で尾津岬の一本松を親友と捉えているところから、ヤマトにとって松は特別であったことが伺える。


浜の松の下に湧いた泉の水が非常にうまいというのも、周辺に塩水だらけで飲水が無い環境でも飲用水が出るという特別感があり、それも神格化に繋がっているのだろう。


まさか防風林として見ていたマツにこんなにも深い話があったなんて。

自分たちを海からの災害から守ってくれる松に力強さと美しさを感じたのかな?と思ったら、マツの印象も変わってくる。


近いうちに松と日本人という本をしっかりと読んでみよう。

『松と日本人』(有岡 利幸):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部


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