檀という字に込められた思いを想像するまでの記事でマユミという木についての内容を読んでいると、マユミに合わせてアズサ(梓)という木の話題をよく見かける。
マユミを漢字で書くと檀もしくは真弓であり、弓に関する木であるが、弓に関する木は他にもあるらしい。
その一つが梓弓(あずさゆみ)になる。
いつものごとく、佐道健 木へんを読む - 学芸出版社の内容を参考にすると、諸説あるらしいが、古事記などでアズサで作った弓は真の弓であるという描写があるそうだ。
それ故、梓弓は神事に用いられる弓となっているそうだ。
このアズサで面白いのが、上記の本でアズサの書き出しに何科何属の木であるか?が明記されていない。
いくつか候補があるそうだが、現在では
Bostonian13 - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
カバノキ科のミズメ(水芽)という木であると考えられているそうだ。
何故、神事に用いられるような木に木偏の漢字が当てられずに水芽が当てられているのか?と気になることがたくさんあるが、それは追々触れていければと思っている。
余談だけれども、ミズメを傷つけると独特の芳香があるそうだ。
この香りがサリチル酸メチルでアズサには魔除けの効果があると考えらているという記述を見かけた。
音符「辛シン」 <刃物> と 「宰サイ」「滓サイ」「梓シ」 - 漢字の音符
以前、防御の植物ホルモン、サリチル酸の記事で植物が天敵を誘引する香り化合物としてサリチル酸メチルについて触れたが、魔除けの意味合いと遠からずという所が更に興味深い。
神事で用いる弓に込める魔除けとしてはぴったりだ。