縮合型タンニンの記事で縮合型タンニンの生合成について見てきた。

アルコールから始まり、芳香族アミノ酸やポリフェノールを経て、縮合型タンニンにたどり着くと、いよいよ土とは何か?に近づいてきている感じがある。


そんな前置きはここまでにしておいて、


Schematic_condensed_tannins


縮合型タンニンはカテキン等で有名なフラバン-3-オール類のフラボノイドが重合した化合物となる。

ここで一点気になる点として、植物はフラバン-3-オールを何のために合成しているのか?ということ。


上記の疑問に関して、ポリフェノール合成について | みんなのひろば | 日本植物生理学会に下記の記載があった。

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カテキンやタンニンは、フラボノイドと同様に芳香族炭化水素をもっているため400 nm以下の紫外線を吸収することができます。これらの成分は太陽光に含まれる、紫外線によってその合成が促進されるため、ポリフェノールは植物で紫外線フィルターとしての機能ももっていると考えられています。

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芳香族炭化水素は


Epicatechin


flavonoid


カテキンでいうところの、左のA環と右のB環を指す。


紫外線フィルターの役割がある(可能性が高い)とされているので、


1033781_s


(落葉樹や河川敷に生えている草等の)葉に多く含まれているということになる。


こうやって、化学合成を見ていくと、堆肥の主の原料は落葉樹の落ち葉にしたくなってくる。


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