水酸化鉄は安価で大量に得る事ができる還元剤なのか?の記事で水酸化鉄(Ⅱ)(以後、水酸化鉄とする)の製造方法を見た。
銑鉄で良いのか?は知らないが、鉄を塩酸で溶かした後に、水酸化ナトリウムで沈殿させることにより水酸化鉄は得られるそうだ。
化学式は以下の通り。
Fe + 2HCl → FeCl2 + 2H
FeCl2 + 2NaOH → Fa(OH)2 + 2NaCl
※FeCl2 塩化鉄(Ⅱ)
※Fa(OH)2 水酸化鉄(Ⅱ)
※HCl 塩酸
※NaOH 水酸化ナトリウム
次に気になることは、塩酸や水酸化ナトリウムをどのように得ているのか?ということだろうか。
この疑問を解消する為に検索をしてみたら、吉田健 苛性ソーダ(水酸化ナ トリウム)の工業的製法と用途 - 化学と教育60巻3号〔2012年)にたどり着いた。
※図:吉田健 苛性ソーダ(水酸化ナ トリウム)の工業的製法と用途 - 化学と教育60巻3号〔2012年)の118ページより引用
概念図になるが、塩化ナトリウム(食塩の主成分)を電気分解することで得られるそうだ。
概念図では単純な記載になっているが、水酸化ナトリウムの生成時に発生するガスの処理等、複雑な処理は多い。
今回の読み物では塩酸の生成の記載はないが、発生した塩素ガスと水素ガスを反応させて塩酸を得ているそうだ。
【2024年】塩酸 メーカー77社一覧・製品価格 | Metoree
食塩の主成分と鉄で工業で利用する還元剤を作っているというのが、なんとも面白いな。