還元剤としてのアスコルビン酸の続きで、還元剤の理解を深める為に更に調べることにする。

今まで工業の視点での還元剤について触れたことがない立場として、水酸化鉄(Ⅱ)とアスコルビン酸という2つの還元剤について知った際、アスコルビン酸でニトロベンゼンからアニリンへの反応を行うことは可能なのか?という疑問が生じた。


ニトロベンゼンからアニリンの反応とは、


Generic_reduction_of_nitrobenzene_to_aniline


上の図のようにベンゼン環(六角形の箇所)の上にニトロ基(-NO2)を水酸化鉄(Ⅱ)等の触媒で還元して、アミノ基(-NH2)に置換することを指す。


この還元を水酸化鉄(Ⅱ)からアスコルビン酸に変えても反応するのか?という疑問が生じた。




古い内容ではあるが、井上正之 ビタミンCによるニトロベンゼンの還元 - 化学と教育 1990 年 38 巻 2 号 p. 212-215という論文に記載があった。

表題の通り、ビタミンC(アスコルビン酸)でニトロベンゼンの還元を行っているが、操作に硫酸鉄(Ⅱ)を加えていて、考察にも鉄の存在についての言及があった。


知りたかったのは、ニトロベンゼンとアスコルビン酸のみの反応でアニリンができるか?であったが、その手の内容は見当たらない。


鉄には触媒の話題があるので、この疑問を解消するためには触媒の理解を深める必要があるのだろうな。

触媒 - Wikipedia