求核剤について2までの記事で求核剤について触れている。
求核剤について整理すると、陰イオンや中性分子といった種類がある。
陰イオンは17族のハロゲンが該当するのだけれども、求核剤の強さで並べてみると、I > Br > Cl > Fの元素番号が大きい順に強くなるそうだ。
前回の内容では、OH-とCl-を比較して、元素番号が小さいOH-の方が求核剤として強かった。
ハロゲンの求核剤を比較した時、元素番号が大きい程強い求核剤になるのはなぜなのだろう?
上記の疑問に関して、SN2反応における求核剤の強さと反応性 | 生命系のための理工学基礎に詳しい記載があったので要約する。
前提として、元素番号が大きいほど、原子が大きくなるという性質がある。
これを踏まえた上で、求核置換反応を行う際の溶媒の話題がある。
反応を行う際に用いられる溶媒にはアルコール等があるが、ハロゲンの方の原子が小さい程、溶媒の影響を受け、反応速度が低下するそうだ。
であれば、原子の大きさが大きい程、溶媒による速度低下の影響が小さくなるわけで、Iが最も速く反応できるということになる。
※原子半径が大きいと、電子密度がより分散していることになり、電子が他の分子に与えられやすく、求核攻撃がより起こりやすくなるそうだ。
難しい話だけれども、引き続き、丁寧に一つずつ見ていくことにしようか。