タンパクを難消化性にするイソペプチド結合とは何か?までの記事で、チョコレートの製造から、チョコレートの成分までを見てきた。
ふと過去記事でチョコレートの事を書いたことがあるかな?と読み返してみたら、
パンの美味しそうな見た目と香りでチョコレートの香りに触れていた。
我ながら、こうも興味が移り変わるものだなと感心して読み返してみた。
チョコレートの香りは数百種類の香り成分が複雑に組み合わさって構成されているそうで、そのうちの一つに糖とアミノ酸のメイラード反応がある。
メイラード反応とは、糖とアミノ酸が加熱によって複雑な反応を起こし、メラノイジンという褐色物質を生成する反応を指す。
メイラード反応は下記の通りに進行する。
・糖とアミノ酸が結合し、不安定な化合物が生成される。
・生成された化合物が分解・再構成され、さまざまな中間生成物が生成される。
・中間生成物がさらに反応し、メラノイジンなどの最終生成物が生成される。
このメイラード反応から生成される化合物で、チョコレートの香りと表記されているものがあるのでピックアップすると、
バリン + グルコース(180℃加熱時の臭気)
ロイシン + グルコース(100℃加熱時の臭気)
スレオニン + グルコース(100℃加熱時の臭気)
グルタミン + グルコース(100℃加熱時の臭気)
があった。
興味深いのが100℃加熱時の臭気に挙げた香気成分は180℃で加熱すると、チーズを焼いた臭いや焦げ臭になるということだ。
ここで気になるのが、発酵後のカカオ豆の焙煎(焙妙)する時の温度が100〜140℃付近であるらしく、ここにも科学だと思わせる知見があることに感動した。