小学生の夏休みにアサガオの観察があった。
種採りまでしたんだけど、当時の担任がタネは来年にまくと芽が出るよ来年にまかなくても、次の年にまいても芽が出るよと言ってた。
一年置いても発芽するというのが不思議でしょうがなかった。
この時、植物は生き物というイメージはあまりなかったけど、一定の時間を過ぎたら自然に発芽することでつながってる感があったから、条件に従って発芽をするかしないかということに違和感があった。
今ならこの感じをまとめることが出来て、要はタネが形成されたということは、生物としてすでに誕生していて、タネの状態は寝ていると仮定して、タネは条件によって発芽・生長するかどうかを決められる。
これを人にあてはめると、赤ん坊として誕生しても条件が合わなければ、生理現象を一切止め眠り続けることができるということだ。
つまり、タネは生きているが活動していない状態であると仮定できる。
人目線で考えると、そんな状態に居続けることは不可能なので、再来年にタネが発芽するということを不思議に感じたのだろう。
大学生になった時、所属していた研究室の教授がさらっと言った。
タネが長く生存できるのは、タネの中にある酵素を極限まで乾燥状態にして、腐らない様にしたからだと。
更に言うと、確かDNAだったと思うけど、大事な要素も予めある程度細かくしておいて、生物として成り立たない状態にしておく。
条件が来たらタネの中に水が入り、水分によって修復酵素が動きだし、DNAを生存可能な状態にまで復元する。
つまりはタネは時がくるまで生きている状態でなくしておいて、目覚まし時計のような時限実行される機能(酵素)を周辺に置いといて、生きている状態に戻してから発芽する。
この話を聞いた時、再来年でも発芽するという不思議が一気に解決したことを感じた。
更にいうと、タネが熟すために活性酸素を利用するという話も合点がいく。
シリカゲルを入れた密封容器でタネを保管すると発芽率が落ちにくいという話も合点がいく。
まぁ、合点がいったとしても不思議なことはほとんど解決されていないけどね。
例えば、土の中で眠り続けるタネは、常に周辺に水が存在している状態だけど、条件を満たす季節にならないと吸水されない仕組みとか。
条件がきたら種子孔が空くというけれど、そんな都合よく空くものなのかねとかね。
それこそ、8ヶ月経過した頃までに徐々に削られ、吸水できる様になったといった理由は考えられるけど、それだと土の中にある数々の草のタネが様々な年で発芽する理由がわからない。