農学の学部で受講するレベルの説明になるけど、
BT剤というのはバチルス・チューリンゲンシスという枯草菌の仲間が合成する殺虫性の結晶性タンパク質を抽出したものを指す。
BTというのは、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の頭文字をとってそう読んでいる。
蝶(チョウ)や蛾(ガ)といった鱗翅目の昆虫がこのタンパクを摂取すると、
こんな感じで干からびて死ぬとのこと。
※食欲の低下や激しい下痢を引き起こす
元々は日本の蚕(カイコ)の飼育で、
あるところから収穫した葉を与えたら脱水して死ぬカイコが多かったところから、
この葉を調べて、この細菌の発見につながった。
原理は、
昆虫の腸内はアルカリ性で、この毒素がアルカリ性の腸に入ると反応して毒素になって臓器を壊す。
人の腸は酸性なので、BT剤は一応無毒とされている。
このBT剤ですが、
結晶性タンパク質の遺伝子は単離されている。
※遺伝子の単離とは、DNAから特定のタンパクを合成する塩基配列を切り取って保管している状態のことを指す
単離されているということは、
プラスミドにBTのタンパクの遺伝子を突っ込んで、
アグロバクテリウムにBTのタンパクの遺伝子を持たせ、
他の植物にこの遺伝子を組み込むことができる。
そう!
殺虫作用を持つ遺伝子組み換え作物は、
今回のBTタンパクを合成できるBT toxin作物が代表例として挙げられる。