抑制に働く植物ホルモン、エチレンでメチオニンというアミノ酸から植物ホルモンとして作用するエチレンが合成される内容を記載した。
前回はエチレンまでの合成で話は終わったけれども、この反応の過程はもう少し詳しく見る必要がある。ということでエチレン合成を再び見てみると、
講談社 新しい植物ホルモンの科学 第3版 78ページより引用
左上のメチオニンから左下のエチレンが合成される過程において、HCN(シアン化水素)が合成されている。
シアン化水素は別名青酸と呼ばれる毒物である。
注目すべきは上の図の右下にあるシステインがシアン化水素を取り込んでβ-シアノアラニンへと変わっているところである。
このシステインというのは既に出たね。
そう!
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硫黄(S)を持つアミノ酸(側鎖は-CH2SH)で、タンパク質の合成の際に強く結合する働きをするもの。
個々のアミノ酸は植物にどのような効果をもたらすのか?でも記載したけど、今までアミノ酸はタンパクになる際の結合の作用ばかり見ていたけれども、今回、毒性の物質を無毒化するためにも使用されているアミノ酸があるという新たな知見を得た。
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