昨年末からの課題の一つで、アミノ酸には、プロリンやグルタミンといった様々な種類があるけれども、それらが植物にどのように作用しているか調べて話して欲しいというものがある。
生化学を勉強した者であれば、アミノ酸のそれぞれの構造、
ここでいうR(側鎖)の箇所に入るものが何か?によって、アミノ酸同士が結合して、タンパクになった時の折りたたみの規則に貢献するという認識になるだろう。
※RにH(水素)が入った場合はグリシンという糖原性アミノ酸になる
というわけで、アミノ酸は材料であって、材料の組み合わせによって働きが変わるから、個々のアミノ酸は材料の仕入れという認識で捉えていた。
※タンパクを構成するためのアミノ酸は全部で20種類とされ、アミノ酸の総数はそれよりも遥かに多い。
先日、植物の乾燥ストレスに対する反応を記載した。
植物は乾燥に対して、プロリンを合成して細胞内のプロリン濃度を高めて耐性を得る。
プロリンはR(側鎖)が3(CH2)のアミノ酸。
※プロリンは特殊な構造なため、上記のように側鎖を単純な形で記載することは難しい。
プロリンがタンパクの構成として働くのはもちろんのこと、プロリン単体が細胞内で役に立っている事から、他のアミノ酸も同様に単体で働くものがあるはずだろう。
昨年読んだ素晴らしい本の一つに、
星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人というものがあって、生物の進化もエネルギーを効率的に且つ高出力で使用できるようになり、複雑な多細胞生物へ話が移り、細胞間の情報のやりとりであるシグナル付近の話で、
※星屑から生まれた世界 - 株式会社 化学同人 248ページから引用
アミノ酸に酸素原子をつけてできるシグナル分子の例で、チロシンというR(側鎖)がHO-ベンゼン環-CH2-のアミノ酸が、酸素をつけた後ちょこちょこといじると動物において神経伝達物質の一種であるドーパミンに変化する他、植物ホルモンであるサリチル酸に変化する内容も記載されている。
単体のアミノ酸から植物ホルモンが合成されるのであれば、この植物ホルモンの効果を知れば、植物にチロシンを与えた時の効果を知ることができる。
というわけで、次回、植物ホルモンであるサリチル酸の事を調べてみようか。
-続く-
関連記事