放線菌と協働して軟腐病を減らすまでの記事で放線菌が放出する抗生物質の話題には触れてきたけれども、抗生物質そのものには触れていない。
というわけでそろそろ放線菌から初めて発見、抽出されたストレプトマイシンという抗生物質を見ることにする。
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ストレプトマイシンをWikipediaから抜粋すると、
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真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、それ以外の生物、例えば古細菌には効果がない。古細菌に近い祖先をもつと考えられる真核生物本体のリボソームも阻害を受けず、真正細菌のみを選択的に殺すことができる。
/***********************************************/ と記載されている。
真正細菌、リボソームや古細菌といった新しい用語が色々と出てきた。
農薬としてのストレプトマイシンを知るには、作用点であるリボソームの事を知っておけば良い。
ということでリボソームについてをざっくりと書いてみると、
まずはDNAだけれども、
DNAには体の構成等の生体情報の設計図が保管されている。
具体的にはタンパク質を構成するためのアミノ酸の配列が記載されている。
DNAには生体情報という超重要情報が保管されているわけで、
DNAを守るために核膜が存在している。
このDNAに書かれているタンパクの設計図は、
mRNAという物質にタンパク質の情報を載せ(転写)、
核膜の外へと排出する。
mRNAはリボソームという翻訳兼合成器官によって解釈されつつタンパク質を合成する。
※軟腐病菌を含む真正生物のDNA周辺には核膜はないので注意
話はストレプトマイシンに戻って、
古細菌に近い祖先をもつと考えられる真核生物本体のリボソームも阻害を受けず、真正細菌のみを選択的に殺すことができる。
というのはどういうことか?というと、
具体的な生物で挙げると、
真核生物は動物、植物と菌のことで、真正細菌は軟腐病菌であったり、枯草菌であったりする。
リボソームは上記に挙げた生物種によって構造が異なっている。
古細菌というものはここでは触れないけれども、
ストレプトマイシンを農薬として使用した場合、
一応、作物には効かずに細菌のみに選択的に作用する
ということになる。
ここまで挙げると、
本当に作物や人体には副作用的なものはないの?
という疑問が生じるけれども、
この先は進化論に入ってしまうため、これ以上は入り込まないことにする。
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