
前回、畜産の家畜糞の問題を挙げた。
どんな問題かを要約すると
・飼育中に排泄された糞尿は農場内で発酵処理を行うこと
・糞尿の発酵処理を進める過程で発熱し、生成物に酸化剤が含まれていくこと
・発酵処理を行った糞尿を処分する場合、処分費が発生すること
要は畜産側で家畜糞を堆肥化して栽培側で全て利用しろと
そういう背景があるわけですね。
この先にはとんでもない話があって、農薬の使用量が年々増えている(減農薬できない)要因だと個人的には考えていることがあるけど、それは下記の記事を読んでもらうとして、
今回は発酵処理した家畜糞の処分費と、そこからくる市販されている家畜糞堆肥の品質劣化の話をしようかと。

このブログサイトの運営を始める前に、養鶏農家向けに栽培者の欲しがる肥料という内容で話をしたことがあるが、その時に知ったこととして、中規模クラスの養鶏の農場では、一日に排泄される糞尿は2トン近くになるらしい。
※2トンとありますが、実際は重量ではなく2トントラック一台分という意味です。
ということは、1ヶ月に換算すると、60トン近くの糞尿が排泄されることになる。
これを、20円/kgで処分してもらうとすると、
20 × 60(トン) × 1000(kg) = 120万円/月
になる。
実際はトンといっても体積なのでおそらく100万/月と見て良いだろう。
話は変わって発酵処理の話。
規定の発酵処理を行えば、当然体積が減るわけで、

撹拌機を利用して撹拌することで、1週間で養鶏では糞尿の量が1/3になる。
これで1ヶ月で排出される糞尿は20トンとなる。
※処分費は35万/月、年間で400万近くに減る。一農場で雇用が一人増えるレベル
2トントラック10台分。
想像してみると、それだけを保管するだけでもかなりの面積が必要となる。

保管には屋根付きの施設を用意しなければならず、処分費だけではなく生産性のない施設の維持費までかかってくる。
そうなるとどうする?
一番の理想は一次発酵が終わった時点で全てを持ち去ってくれる栽培者がいればありがたいということになる。
しかし、一次発酵の家畜糞堆肥の質は悪いので全てを持ち去ってくれる方が現れることはほぼない。
※稲作の場合は処理が比較的進んでないものを好むけど
栽培者のことを考えると、二〜四次発酵までの処理を行うことになるだろう。
とはいっても日に日に排泄されてくる糞尿の処分も考えると、負債が溜まっていくからこんなことも言ってられない。
そのしわ寄せがどこにくるかというと、栽培側にくるわけですね。
どうくるか?
家畜糞堆肥は生物由来の有機物なので土作りで大量に使いましょうってね。
よくよく考えてみると、自然界において、土作りで利用する程の動物の糞が地面に落ちているってことはあるのかよ?
だから、家畜糞で土作りを行うと秀品率が下がりつつ、病気にも弱くなって農薬の使用量が上がる。
植物性のものだったら、

普通にあり得る。
となると畜産には糞詰り問題があって、未来はないのか?といえばそうではなくて、凄腕の栽培者は家畜糞をうまく活用して秀品率を上げる。
その業が畜産に限らず、栽培側にとっても活路となるのは間違いない。
追記
家畜糞の処理は必ず発酵というわけではなく、火力、つまりは乾燥でも良いらしい。
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