細かい根の発生が少なくなることで硝酸態窒素の吸収量と相対的にミネラルの吸収量が低くなる。
という内容を記載した。
朝倉書店の根の事典で下記のような研究結果を読んだ。
手元にないので何ページに記載されていたかはわからない。
窒素、水、リンとミネラル(カルシウムだったと思う)を吸収する時、
窒素は根の先端から離れた箇所でよく吸収され、
水とリンは根のどこでも万遍なく吸収され、
ミネラルは根の先端に近いところ程よく吸収される
というもの。
このグラフを図で表してみると、
これが窒素の吸収の傾向で、
これは水とリンの吸収の傾向で、
これがミネラルの吸収の傾向となる。
根毛から有機酸を出すのであれば、こうなるのもうなずける。
根量が増えるというのは、
この写真でいう外に向かって広がっている細かい根(根毛)なので、
根が健全に育つということは相対的にミネラルの吸収量が増えると考えても良いはず。
根毛は土に空気がたくさん入る様な状態で活発に発生する傾向があるので、
土が固くなるとミネラルの吸収量は減ると考えられ、
ミネラル吸収の減少により光合成量も低下し品質は下がると考えられる。
根量が少なくなると相対的に硝酸態窒素の吸収量が上がってしまう。
硝酸態窒素をアミノ酸やタンパクの様に使える様にするために、
硝酸イオンを還元してアンモニアからアミノ基へ
それを光合成産物の有機酸と結合させてアミノ酸へ合成しなければならない。
還元といえば生命活動の中で超重要な反応であるため、
相対的に硝酸態窒素の吸収量が増えることで、
超重要な反応を余分に回さなければならない。
硝酸態窒素の吸収が相対的に多い場合、
葉の中に占める硝酸態窒素の量は多くなるので、
これは野菜を不味くする要因であり、
還元を硝酸態窒素の方に余分に回すのも野菜を不味くする要因となる。
まとめると、
根量が少ないことで美味しい要因であるミネラルの吸収が減るどころか、
相対的にミネラル量が減ることで不味くする要因を増やしてしまうことになる。
今までの話で
美味しさの要因であるミネラルを増やす前に
土を固くしないことを徹底することが大事だという目標を得ることが出来た。
補足
ミネラルでの注意点として、
カルシウム等の特定の要素が極端に溜まることはよろしくないので、
ミネラルだったら何でも良いということはない。
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